売掛債権担保融資と売掛債権売買

事業活動を人の生活に例えると、健康状態に好不調があるように事業も常に利益が出ているばかりとは限らず、景気動向や周囲を取り巻く環境によって時には赤字になるときもあります。

一時的に赤字になっても資金繰りさえ行き詰まらなければ持続可能なので、資金の流れは生き物にとっての血流にもたとえられます。反対に、黒字経営が続いていても資金の流れが行き詰まってしまえば突然の破綻が免れないのは慢性的な病気がなくても血管の発作で突然倒れてしまうのに似ています。事業の資金繰りを生命活動の血流に例えるなら、売掛債権が蓄積されるのは発作の前触れです。事業の成長過程では仕入れの増加や人件費など一時的に資金需要が拡大しますが、売上代金の入金が滞ると資金繰りが追い付きません。

そこで、将来の期日に現金化する権利である売掛債権を原資に資金調達するのが有効です。売掛債権流動化には、売掛債権担保融資と売掛債権の売買があります。物理的に手形が発行されている場合に担保にする手形割引も売掛債権担保融資の一種ですが、最近では手形がなくても売掛債権そのものを担保にする取引も拡大しています。売掛債権担保融資と売掛債権売買は、いずれも将来のお金を今資金化するという点は同じですが、担保融資の場合は入金期日までお金を借りて入金した代金で融資の返済に充当する借入取引であるのに対して売買は文字通りその時点で取引が完結します。

そのため、担保融資では売掛債権から利息相当の割引料を差し引いて入金しますが、売買の場合は債権の時価での取引になるため、債権の信用リスクによっては低い評価になることもあります。万一取引先が支払い不能になった場合でも売買なら返済不要ですが、そのリスクオフに見合う評価差額を負担することになります。売掛債権の額面から利息相当の負担だけで資金調達できるのが売掛債権担保融資のメリットです。

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